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おはようございます、澤田です。
父親が住んでいる自宅の隣の土地が空いているので、息子夫婦が家を建てる、
というケースを目にすることがあります。
土地は父親が所有していて建物は息子の資金で建てますが、
土地を使わせてもらうために権利金や地代を父親に払う、
ということはあまりありません。
父親も息子に対して、地代を要求することはあまりないでしょう。
このようなケースの場合、
息子はタダで親の土地を使わせてもらっているわけですが、
その対価として何か支払う必要があるのでしょうか。
また贈与税等の税金は発生するのでしょうか。
今回は親子間での土地の貸借についてお伝えします。
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親の土地をタダで使わせてもらったら贈与になる?
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●一般的な土地の貸し借り
まずは、一般的な土地の貸借についてお伝えします。
他人との間で貸し借りをする場合は、土地の賃貸借契約を結びます。
一つの土地が、貸主(地主)の持ち分である「底地」と、借主の持ち分である
「借地権」に分かれることになります。
借主である「借地権者」は、借地権設定時にその対価として
権利金を支払うことで、土地を利用することが可能となり、
家を建てることができるようになります。
あわせて通常は、毎年土地の使用料として地代を支払っていくことになります。
一般的に借地権は借主側の権利が非常に強く、
旧法と呼ばれる「借地法」によって設定された借地権は、
地主側が、土地を自分のために使いたいからといって借地権の更新を拒否したり、
建物の明け渡しを求めたり、更地にして返還するように要求したりすることは、
正当な理由がないと認められません。
地主側にとっては、権利金や地代を受け取れる半面、自分の土地であっても自由に
使うことができないというデメリットもあります。
借主側にとっては、土地を購入するよりも費用がかからないことが多く、
毎年の固定資産税等の負担もありません。
半面、建物を増改築する時などは地主の承諾が必要となり、
多くの場合手数料を地主側に支払うことになります。
また借地権を売却することもできますが、通常の土地と比べて資産価値が低くなる
ケースが多くなっています。
このように、他人との間での土地の貸借では、
金銭のやり取りの他に様々な権利関係が発生することになります。
●親子間の土地の貸し借り
それに対して親子間での土地の貸借では、一般的には権利金の支払いも毎年の地代の
支払いもありません。
他人の場合には支払う権利金や地代、つまり借地権相当額を親から子へ贈与された
として課税対象になるのではないか、という考え方もできます。
結論からお伝えすると、親子間の土地の貸借は「使用貸借」となり、
贈与税をはじめ他の税金はかかりません。
使用貸借とは、無償で物の貸し借りを行うことで、土地の他に車や本などの貸し借り
もこれに当てはまります。
利害関係が無い親族間や、親しい間柄で行われることが多い貸し借りとなります。
借地権は、土地の利用料として金銭を支払うことになりますが、
使用貸借の場合は金銭の授受はありませんので、様々な権利もないということになります。
極端な話ですが、親子関係が悪化して「貸している土地を返せ」ということになった
場合には、子はその土地を使うことができなくなり、
結果自分が建てた家に住めなくなるということもあり得ない話ではありません。
●その土地に相続が発生した場合の評価方法は?
では、親が子に土地を使用貸借している時に、親に相続が発生した場合には、
その土地はどのように評価するのでしょうか。
他人に土地を貸している場合の評価方法と比較してみたいと思います。
他人に貸していて、借地権が設定されている土地は「貸宅地」と呼ばれ、
評価方法は、「自用地評価×(1-借地権割合)」
となっています。
借地権の部分だけ自身で使うことができないため、
その割合だけ評価額を下げます、という計算式になっています。
それに対して使用貸借の土地は「自用地」、
つまり自分で使用していた土地とみなされ、借地権割合のような評価額を下げる
ということはできません。
このように、同じ土地の貸借であっても、一般的な賃貸借と使用貸借では
相続財産としての評価額も変わってきます。
親の土地に子が家を建てる場合には、子が土地の取得費等を負担しなくて良く、
税金等もかからないというメリットがあります。
子の生活設計をサポートするという一面もありますので、
相続・贈与対策とあわせて検討してみても良いかもしれません。
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