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【FP花園メルマガ】<2023年8月30日号> 相続税の歴史その2:相続税と土地の相続税評価額~戦後の改正内容~

2023/8/30  【メルマガ一覧へ戻る

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おはようございます、澤田です。

明治時代に、戦費調達をおもな目的として創設された相続税ですが、
  戦後を迎え制度の内容も大きく変わっていきます。

前回は戦前の制度についてお伝えしましたが、
今回は現在の制度の基となる戦後の改正内容や、土地の評価方法の変更等
についてお伝えします。

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相続税の歴史その2:相続税と土地の相続税評価額~戦後の改正内容
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・数回にわたる戦後の相続税法改正

1.1947年改正

戦後間もなく、相続税の改正が行われます。
これはGHQから日本政府に発せられた「シャベル勧告」に基づいて行われた
ものです。この勧告では現行の相続税法は、家督相続に対する優遇課税・税率が
他国と比較して累進的になっていない・贈与税が課税されない、という理由で
「日本国内における巨富の急速な蓄積とその保全とを助長している」
と指摘しています。

これらを是正する内容に改正する動きが見られましたが、
贈与税創設・申告納税制度の導入は盛り込まれたものの、戦前から続いていた
被相続人との親疎による税率区分は残る等、勧告の内容がすべて反映された
ものではありませんでした。

ただしこの改正で家督相続による区分は廃止され、相続税における「家」の
優遇制度は終焉を迎えることになりました。

また免税点が廃止され、基礎控除が初めて導入された改正でもあります。

2.1950年・1952年・1953年改正

その後「シャウプ勧告」によって1950年に再び改正が行われます。
この改正で創設当初から存在していた、被相続人との親疎による税率区分が
廃止されました。

さらに相続税と贈与税を統合し「累積的取得税」が導入され、
税率は25%~90%の14段階に区分されました。

さらに扶養控除が廃止、配偶者控除・未成年者控除が新設され、
現在の制度に徐々に近づいていきます。

1952年には税率が20%~70%の11段階に、
翌1953年には15%~70%の12段階に改正され、課税方式も累進的取得税から
「遺産取得税方式」に変更されました。

また、1950年に相続税と統合された贈与税が復活した年でもあります。

3.1958年改正

この年の改正で「基礎控除が150万円+50万円×法定相続人の数」となり、
はじめて法定相続人の要件が加わりました。
また「相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算」という制度が導入
されたのもこの年になります。
この年の改正が現在の相続税法の基となる点が多く、この後、数回の改正を
経て現在に至ります。


・路線価方式、倍率方式の導入

土地の評価については1947年の改正で地上権・永小作権の価額を相続・贈与時の
「土地の価額」に残存期間に応じて一定の割合を乗じることとなり、
戦前の「賃貸価格」から「土地の価額」に改正されました。

土地は従来通り「相続時・贈与時の時価」により評価することと定められました。

またこの年の改正で、課税方式が賦課課税方式から申告方式に改められ、
政府が決めていた課税金額を納税者が決めることとなりました。

さらに1950年の改正でも、相続・遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、
当該財産の「取得した時における時価」により評価すること、となっていて、
土地の評価は取得した時の時価という点は相続税創設時から変わりはありません。

ただし時価の解釈については
「売買実例を参考にする」「賃貸価格に一定倍数を乗ずる」
という2つの方法がとられていました。

ただし1950年に「土地台帳法」が廃止され賃貸価格が使用できなくなり、
現在の評価方法である路線価方式・固定資産税評価額を基礎とする倍率方式へと
変わっていくことになります。

・路線価等をもとに、個別の土地を評価する

1950年の改正以降、土地の評価方法に路線価・倍率方式が導入されましたが、
土地の筆に関係無く、利用されている状況に則して1坪当たりのその土地の評価を
行いました。

また、当時の国税庁のある人物は「路線価の設定といえども個別の土地を評価する
場合の調整割合は、主観的判断によらざるを得ないのである。
そこで、適正な判断基準を得るためには、判断基準となる客観的事実をできる限り
集め、適正なものとそうでないものと区別する能力を身につけることが必要である」
と述べています。

要約すると、地目・利用区分等ごとに土地の評価単位を区分し、
減価要因を考慮して適正に評価を行う、ということになります。

戦後から現在まで、土地の評価方法についての基本的な考え方は変わっていないと
言えるのではないでしょうか。

 

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